人前で話すのが苦手な方にとって、挨拶やスピーチは苦痛に感じられるでしょう。しかし、コツを押さえておけばスムーズに進められることも多いので、ポイントを整理してみましょう。
段階を踏んで考えていくと、原稿の用意、スピーチの前のリラックスやイメージの作り方、本番と進んでいきます。それぞれの場面に分けて見ていきましょう。
スピーチの原稿の作成
年末年始のように季節に関する挨拶やビジネスに関連する就任や転勤、退職などに伴うスピーチ、さらに結婚式や葬儀・法事といった冠婚葬祭にまつわるものといったように、様々なシチュエーションが存在します。それぞれに特有の言い回しがあったり、押さえておくべき要点があるので、例文を参考にするとよいでしょう。
例文を使うといっても、たとえば年末年始の挨拶の場合には、創意工夫をする余地は大きくはなく、反対に結婚式で友人代表としてスピーチを行うのであれば、新郎や新婦の人柄を伝えるエピソード求められます。そのため、ほとんど丸写しにすればよいケースもあれば、手直しが必要な場合もあります。
どちらにしても共通するのは、例文をベースにして原稿を書けば形式や押さえるべきポイントが見えやすいため、何から手を付けてよいか分からずに途方に暮れるのを防げるのです。そのため、シチュエーション別に例文を見ておければ、スピーチの原稿を作成する効率を上げられます。
スピーチの直前
緊張した状態では、人は本来の実力を発揮できないものです。そこで、リラックスして最高のパフォーマンスを発揮できるようにしておきたいものです。いくつかの方法があるので、自分に合ったものを試してください。
まずは過去の成功体験を思い出す方法です。スピーチや挨拶をしてうまくいった経験があるのなら、その時の記憶を喚起することによって、自信を深めることができます。成功体験がないのなら、つつがなく終えた場合のイメージを作ってみてもよいでしょう。
古典的な方法ですが、深呼吸をするのも効果的です。緊張すると、無意識のうちに呼吸は浅くなってしまい、それが体に伝わってますます悪化するという悪循環に陥る例もあるため、その流れを断ち切るのは重要です。
話の流れを簡単に振り返るのも効果的です。スピーチの原稿を一字一句追うのではなく、ポイントを大まかに見ておけば、自分がこれから行おうとしている挨拶が、それほど複雑なものではないと実感できるはずです。
スピーチの本番の注意
大前提となるのは、挨拶やスピーチをしている際にアレンジを行うのはある程度リラックスした方でないと難しいので、自信のない方は原稿を読み上げる（覚えた内容を復唱する）ことに徹するべきである点です。変に欲張ると、結局自分が混乱します。聞く側にとっては、どちらにしても初めてなのですから、本番で変更を加える意味はありません。
本番で注意しておきたいポイントは２つです。まず、自信のなさは声に表れがちなので、声の大きさに注意しましょう。小声になってしまうと、それだけで内容まで見くびられてしまいます。
もう一つのポイントは、ゆっくり話すことです。嫌なことはさっさと済ませてしまいたい気持ちは納得できるものの、早口になると滑舌が悪く聞こえたり、内容を聞き取りづらくなったりするため、話す速度には気をつけてください。