引越しの挨拶のマナー

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転居が決まったら、元の住所や新しい土地で引越しに伴う挨拶回りをするかどうかを決める必要があります。昔なら当たり前の習慣でしたが、近隣住民との付き合いが薄れてきた現代では、一人暮らしの方を中心に省略する例も多いので、必要性から考えてみましょう。

引越しの挨拶をする目的は、今後の付き合いを円滑にするだけではありません。顔見知りになっておくことによって、近隣トラブルの防止にもなるのです。顔の見えない相手の立てる音なら気になっても、マナーのある人として印象付けておけば、多少なら仕方のない問題として許される場合があります。

転居前の場所については、これまでの感謝を伝えるのが主目的となります。深い付き合いがないのであれば、省略してもかまわないでしょう。今では常識的なマナーとは呼べなくなっているので、あまり気にする必要はありません。

移転先についての判断基準は、一人暮らしか家族連れであるかが重要な意味を持ちます。

挨拶の基準は一人暮らしかどうか

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家族のいない一人暮らしの方の引越しであれば、わざわざ挨拶回りをしないケースが増えています。単身者が集まるアパートやマンションでは、お互いに顔や名前を知らないことも少なくはありません。

突然訪ねられてきても困ってしまうという声もありますので、一人暮らしならわざわざ顔を出しておかなくてもよいのではないでしょうか。もちろん、丁寧な対応をするためにあえて声をかけておくのはかまいませんが、無理に行う必要はありません。

初めて一人暮らしをする時には分かりづらいことですが、単身者用のアパートやマンションに住んでいると、住人がいつの間にか入れ替わっていたり、荷物の運搬をしていて転居を知ることが多く、都会ではわざわざ挨拶に来る人はまれです。

若い女性の一人暮らしの場合には治安の問題もあるため、うかつな行動が危険を呼ぶケースもあります。名前と住所、さらに顔がばれてしまうのは、個人情報が流出しているのと同じです。

これに対し、家族連れの場合にはマナーとして周囲に挨拶をしておいたほうがよいでしょう。特に、子供がいる場合にはどうしても騒音や声をはじめとした迷惑をかけてしまいがちですので、あらかじめ声をかけておきましょう。良好な関係を築いておけば、トラブルになる危険性を低くできます。

引越しの挨拶の品物

タオルや洗剤、菓子折り、そばが定番でしょう。マナーとして厳しく内容が制限されているわけではないので、商売をしているのなら店で取り扱っている品物を持っていってもかまいません。

引越しに伴ってお金がかかっているところで、持参する品物でさらに出費がかさむのは痛いところですが、金額の目安は500円から1000円ほどですので、多額の費用がかかるわけではありません。ちなみに、一戸建てなら両隣とお向かい、アパートやマンションなら隣と上下階の部屋が対象となります。

引越しの以前に済んでいた土地の名産品があれば、それを持参してもよいでしょう。どこでも買える品物よりも、珍しいものの方が喜ばれるので、タオルや洗剤といった定番にこだわる必要はありません。

品物の熨斗(のし)

引越しの挨拶に持っていく品物を用意しても、熨斗(のし)の書き方はちょっと難しいところです。一般に、転居前の場所でお世話になっていた方に渡す場合には「粗品」、新しく暮らす場所では「ご挨拶」と表記します。

熨斗には白赤の蝶結びのものを選んでおけばよいでしょう。地域によって風習の違いがあるので、気になるなら購入の時に確認しておけば安心です。

なお、熨斗には自分の名前を書いておくと、相手に名前を覚えてもらいやすくなります。一度名乗っただけでは忘れられてしまうかもしれませんので、引越してきたのが誰であるかをはっきりさせておくためにも、記載しておくとよいでしょう。

不在・留守の時の対応

せっかく家を訪れても、相手が不在であるケースもあります。中には、何度尋ねても留守である人もいますし、仕事が忙しくて深夜に帰宅して早朝に出勤するビジネスマンもいるため、すぐに会えるとは限りません。

本来なら、引越しの後の2、3日のうちに顔を合わせて挨拶をしておきたいところですが、相手が留守でそれができない場合には、手紙を残しておいてもかまいません。品物と一緒に宅配ボックスに入れておきましょう。

この場合の文章は正式にはがきに印刷されたものである必要はありませんので、丁寧に書かれたメモ程度でかまいません。要点としては、尋ねた時に留守だったため手紙を入れた旨、引越しの際に迷惑をかけた(騒音など)ことへのお詫び、自分の名前といったところです。

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